チューリングパターン(反応拡散系)とは?
重要
本記事では、はてなブログで上手く数式を表示できなかったので、こちらに代わりに書かせていただきました。 リンク先は個人ブログですが、記事内容や、見た目等、まだ整理されていないので見づらいかもしれませんがご了承下さい。コメント等ある場合は、はてなブログの方でいただけると幸いです。 お手数をおかけしますが宜しくお願い致します。
チューリングパターンとは?
誤解を恐れずに言えば、こういう模様(=波)のこと こういう模様、パターンのことをチューリングパターンと言います。チューリング波、反応拡散波という言い方もあります。
そして重要なのは、以下の2点 1. このパターンはある条件を満たす化学反応システムが自発的に生み出す周期的なものであるということ 2. 模様(=波)の仕組みは、反応拡散方程式で数学的に表せる!! ということ 3. この模様は、生物によく見られるものであり、一部の生物では、確かに反応拡散系によってこの模様が作られている!! ということ
遺伝子だけで決まる訳ではない
point①&③
これは化学反応によって自発的に起こるパターンで、生物にも見られる!! ※ 画像はイメージです。 こちらからお借りしました。チューリング波(反応拡散波)を理解したい
実際の生き物に見られる模様のパターン |
---|
| |
| |
ことの始まりは、 イギリスの数学者アランチューリングが1952年に発表した論文で、「生物の模様は波によって作られる」という仮説。です
生物の体の表面では化学反応が起きており、反応を活性化する因子と抑制する因子の広がる速さが異なることで「波」が生じ、模様が作られる
https://www.jst.go.jp/pr/jst-news/pdf/2015/2015_04_p08.pdf という考え方。
1952年に、イギリスの代表的な数学者でコンピュータ科学の生みの親でもあるアラン・チューリングが、「2つの仮想的な化学物質が、ある条件を満たして互いの合成をコントロールしあうとき、その物質の濃度分布は均一にならず、濃い部分と薄い部分が、空間に繰り返しパターン(反応拡散波)を作って安定する」ことを、数学的に証明した。1970年代に数人の数学者がチューリングの方程式を2次元でシミュレーションしたところ(チューリングの時代はコンピュータがなかった)、方程式の定数(仮想的な化学物質の性質)を少し変えるだけで、シマウマのストライプ模様もキリンの網目模様も、豹の斑点模様も作り出せることを発見した。
https://www.brh.co.jp/seimeishi/journal/011/to_1.html 天才か...
簡単に例えてみると... 2つの赤い物質(A)と青い物質(B)があって、この2つの関係が、 1. 赤い物質が増えると、自分(赤い物質)をより増やすようになる(=赤が自分を「促進」) 2. 赤い物質が増えると、青い物質を増やすようになる(=赤が青を「促進」) 3. 逆に青い物質が増えると、赤い物質を減らすようになる(=青が赤を「抑制」) ような関係で、 4. 赤い物質より青い物質の方が周りに広がりやすい とき、ランダムに赤青がある状態からスタートして、ある程度時間が経つと、安定した赤青模様のパターンができる!ということである。 上記のように初期状態やパラメーターによって色々な模様ができます。
白黒でも良いですが、画像に合わせて赤青にしました。
この関係は、食物連鎖の一部に例えてみるとわかりやすいでしょう 全然現実世界に沿っていないとは思いますが... 1. ネズミが増えるとネズミたちは、協力して生活するようになり、どんどんその数を増やしていきます(ネズミが自分たちの増加を「促進」) 2. ネズミが増えると、ネズミを食べる猫たちは沢山食料を得られるので、猫たちの数も増えていきます(ネズミが猫の増加を「促進」) 3. 猫が増えると、ネズミは今まで以上に食べられてしまうので、数を減らしてしまいます。(猫の増加がネズミの増加を「抑制」)
このような関係のイメージです。
ポイント2 ~模様の仕組みは数学的に表せる!~
この1~4の関係を数学的に表すと、一例として、
[tex: { \displaystyle \frac{\partial u}{\partial t} = 0.6p - q - p3 + 0.0002\Delta u }]
$$ \frac{\partial v}{\partial t} = 1.5p - 2q + 0.01\Delta u $$
と表すことができます。 これは反応拡散方程式と言われるものです。式の意味は後ほど説明します。